小笠原エコツーリズム協議会

relationship

小笠原とアオウミガメ

小笠原とアオウミガメ

小笠原諸島は日本最大のアオウミガメの繁殖地です。春になると、大きなアオウミガメたちが本州の方から交尾・産卵のために小笠原諸島へやってきます。人々が小笠原に入植してきた当初は今よりもたくさんのウミガメがいましたが、戦前の乱獲によりその数は激減してしまいました。

現在はウミガメ漁に関する規則の制定やウミガメの保全活動が功を奏し、小笠原に繁殖に来るウミガメの数は増加傾向にあります。

産卵巣数の推移(1978 – 2020年)

産卵巣数の推移(1978 - 2020年)
小笠原海洋センターでは、「アオウミガメの種の保全」と
「小笠原に根付くウミガメ食文化の継続」の持続的な両立を目指し活動を行っています。

アオウミガメ

世界では現在7種(もしくはクロウミガメを加えて8種)のウミガメが確認されています。その内、日本で産卵するのはアカウミガメ、タイマイ、そしてアオウミガメです。

アオウミガメは小顔で体が大きいのが特徴です。子ガメの時は目がクリクリして愛らしく、大きなヒレで羽ばたくように水中を泳ぎます。

小笠原エコツーリズム協議会について

Green turtle

NAMEアオウミガメの名前の由来

アオウミガメは体の色が青いからアオウミガメと名付けられた…
わけではありません。

実は、体内の脂肪の色が緑色であることが名前の由来となっています。
成長したアオウミガメは草食性が強く、海藻/海草を主に食べるため
脂肪の色が緑色であると言われています。

ちなみに、英名もそのままGreen turtleです。

HISTRY小笠原の歴史とアオウミガメ

現在のような冷蔵技術がない時代、ウミガメは島民や捕鯨基地として
島を訪れる人にとって重要なたんぱく源でした。

それ故、小笠原の歴史はウミガメ食の上に成り立ってきたと言っても
過言ではありません。現代では食利用の他、
観光資源としてもウミガメは私たちを支えてくれています。

BASIC KNOWLEDGE

  • SPRING

    SPRING

    春|3月~5月

    大きなウミガメが本州からやってくる交尾シーズン。

    「交尾ガメが見たい!」そんなマニアックな方は
    ぜひこのシーズンにお越しください。

  • SUMMER

    SUMMER

    夏|6月~8月中旬

    産卵シーズンです。

    産卵を見たい方はこの夏シーズンに来ましょう。

  • AUTUMN

    AUTUMN

    夏~秋|7月~10月上旬

    ふ化シーズン。

    赤ちゃんガメとふれ合いたい方は、
    ぜひこの時期に海洋センターに遊びに来てください。

  • WINTER

    WINTER

    冬|11月~2月

    残念ながら産卵もふ化も終わっています。
    ダイビングやシュノーケルで小型のウミガメには出会えるかも??

NESTING

アオウミガメの産卵

ウミガメは夜~早朝にかけて産卵のために上陸します。
上陸した母ガメは、まず自分がすっぽり入るくらいの大きな穴(大穴)を前肢で掘り、
次に卵を産み落とすための小さな穴(小穴)を後肢で掘ります。
産卵が終わると、母ガメは産卵巣にどっさりと砂を掛けてから海へと帰ります。

産卵はシーズン中2週間おきに4~5回ほど行われます。
1回の産卵で産み落とす卵の数は約100個です。
また、同じお母さんガメが産卵のために小笠原にやってくる間隔は平均すると4年ほどです。
オリンピックと同じ間隔ですね!!

アオウミガメの産卵
アオウミガメの卵

NESTING

OBSERVATION METHOD

産卵観察方法

重要なポイントが3つあります。
ウミガメと人がこれからも共存できるように、ウミガメの産卵を観察する際は以下の3つの約束を守りましょう。

  • Point.1
    ウミガメや海を
    ライトで照らさない

    明かりに驚いて海へと戻ってしまいます。海岸でライトを使用する際は、
    歩く時にケガをしないように自分の足元を照らす程度に留めましょう。

  • Point.2
    ウミガメの視界に入らない

    人の動きを察知してウミガメが逃げてしまうことがあります。上陸中のウミガメを見つけたら、そこで一旦ストップ!ウミガメが波打ち際から遠い場所に移動するまでしばし待ってあげてください。

  • Point.3
    ウミガメの視界に入らない

    ウミガメを見つけたら近づきたくなる気持ち、、、よくわかります。
    でも、ウミガメのためにも自分のためにもそこはグっと我慢しましょう。
    近づくと気配を感じ産卵行動をやめてしまう可能性があります。

    また、ウミガメが産卵のために前脚でかいた砂が飛んできてケガをすることがあります。砂の中にはサンゴの死骸や小さな石も含まれており、顔や体に当たると非常に痛く、また、服が砂まみれになります。

    ウミガメを観察する際は2メートルほど距離を開けて、
    かつウミガメの視界に入らない後方から観察しましょう。

アオウミガメの卵
アオウミガメの卵

PROBLEM

小笠原の『光害』問題

光害とは、人工的な明かりにより環境や動物にもたらされる悪影響のことです。赤ちゃんガメは明るい方向へ向かう性質があります。父島の大村海岸は街に隣接しているため、大村海岸で生まれたカメたちは街の明るさに導かれ迷走してしまうことがありました。

そのような事例を防ぐために小笠原海洋センターでは、大村海岸の産卵巣を海洋センターのふ化場まで移動して埋めなおしふ化させた後、光の影響が少ない海岸から夜間に放流する人工ふ化放流という活動を行っています。

ウミガメの性別は、ふ卵時のある一定期間の卵の平均温度で決まるため、人為的な影響が最小限になるように卵の移動は性別の決定後に行っています。

アオウミガメの産卵
アオウミガメの赤ちゃん

CONTACT PROGRAM

ウミガメの
赤ちゃんが見たい!!

小笠原海洋センター
アオウミガメの赤ちゃん

そんな方は、是非、

ふ化シーズンに小笠原海洋センターに遊びに来てください。

ウミガメの赤ちゃんは通常、夜に巣からでてきて海へ向かいます。
そのため、自然界でウミガメの赤ちゃんに出会うのは非常に困難です。

小笠原海洋センターでは、ウミガメに会える&触れ合えるプログラムをご用意しています。
興味のある方は小笠原海洋センターのホームページをぜひチェックしてみてください!