ザトウクジラ（学名：Megaptera novaeangliae）は、 平均体長13～14m、体重30tほどの大型のヒゲクジラ（歯の代わりにひげ板をもつクジラ）の仲間です。体長の3分の1ほどにもなる長い胸びれが特徴で、名前の由来（Megaptera：大きな翼）にもなっています。

上下のあごには多くのこぶ状の隆起が見られ、こちらも他の種と見分けるポイントになります。また、尾びれの腹側の模様は個体ごとに異なるため、尾びれを見比べることで個体同士を識別することができます。

ホエールウォッチングというと、ボートからのウォッチングが基本ですよね。ただ小笠原には海を見渡せる展望台があるので、陸上からもその姿を確認することができるのです。

また、父島のウェザーステーション展望台や母島の鮫ヶ崎展望台では、ザトウクジラの来遊シーズン中のおがさわら丸入港日の夕方に、
「クジラの陸上観察会」を開催しています。

解説員によるクジラのレクチャーを聞くことができるので、
お時間があれば参加してみてください。

小笠原の他にも北は北海道から南は沖縄まで、今では日本全国にウォッチングポイントがあります。その中で、小笠原と同様にザトウクジラを対象としたウォッチングが行われているのが、沖縄本島や慶良間諸島、鹿児島県奄美大島です。これらの海域でも、冬から春にかけて繁殖のためにやってきたクジラを見ることができます。

また、北海道の知床・羅臼では4~6月にシャチのウォッチングが行われていますが、まれにザトウクジラが現れることもあるようです。

その他の種類については、北海道知床・羅臼や和歌山県の那智勝浦でのマッコウクジラのウォッチングや、高知でのニタリクジラのウォッチングが有名です。千葉県の銚子でもカマイルカやスナメリなど数多くのイルカ・クジラを対象としたウォッチングが行われています。